蜂の子とは蜂の幼虫やさなぎのことを指す
ミツバチやスズメバチなどの蜂の幼虫やサナギのことを、「蜂の子」といいます。この蜂の子は、ミツバチやスズメバチだけでなく、クロスズメバチやクマバチ、アシナガバチなど全ての蜂の幼虫やサナギのことを指します。
ミツバチの場合は、ハチミツやローヤルゼリーなどの生産に用いられるメス蜂ではなく、オス蜂の幼虫が蜂の子として採取されます。
オス蜂には子孫を残すパワーが凝縮されており、特に羽化が始まる前の生後約21日のオス蜂が栄養価が高いといわれています。
クロスズメバチの蜂の子は「ヘボ」とも呼ばれており、蜂の子の中でも美味しいといわれています。このクロスズメバチの蜂の子は、佃煮や甘露煮としても販売されています。
蜂の子は主に山間部地域で食されている
蜂の子の生産地は、主に岐阜県、長野県、愛知県などの山間部です。
蜂の子にはタンパク質が豊富に含まれているため、山間部地域では古くから蜂の子を貴重なタンパク源として食してきたのです。
また、日本だけでなく、タイやメキシコ、ルーマニアやエクアドルなどの国でも、蜂の子は貴重な栄養源として親しまれていました。特にタイでは、蜂の子は一般的な食材であり、一流ホテルの料理などにも使用されています。
中国では、古くから蜂の子を漢方として使用していました。中国最古の薬学書である「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」には、蜂の子は安全性が高く、老化の抑制などに役立つ薬であることが紹介されています。
このように、蜂の子は日本だけでなく、様々な国で栄養価が高い食材として用いられているのです。
蜂の子には栄養素が豊富に含まれている
蜂の子には、タンパク質をはじめ糖質や脂質、ビタミンやミネラルなど健康な体を維持するために必要な栄養素が豊富に含まれています。
特にアミノ酸は、必須アミノ酸(※1)全9種類が全て含まれています。その他にも非必須アミノ酸やタウリンなども含んでいるため、栄養価が高い食材といえます。
(※1)必須アミノ酸は、体内で合成することが困難なため、食事などから摂取する必要があります。
また、ミツバチのオス蜂には、女王バチが長生きして沢山卵を産むことができるように、交尾の際に栄養を注入する役割があります。そのため、オス蜂の子は、ローヤルゼリーや蜂蜜などをメス蜂の子の3倍以上も食べて成長します。
このように、オス蜂の子は栄養を体内に蓄え続け、生後約21日目頃になるとその栄養価が最高潮に達するのです。その生後約21日目頃のオス蜂の子には、なんとローヤルゼリーの約3倍ものアミノ酸が含まれているといわれています。
蜂の子にはアミノ酸以外にも、亜鉛やマグネシウム、鉄やカルシウム、ビタミン類など、健康と美容に嬉しい栄養素が多く含まれているのです。